ep.13 田舎から我が家にやってきた
ーだいたいどうでもいいような物が好きだ。
割れた陶器の欠片とか使い古された竹籠とか。
上の壺は炭壺である。炭の火を消す為に入れる壺だ。下の石は石臼である。溝があり中央に穴が空いている。大小色々な大きさの物がある。大きいのは重くて一人では持てないので小さいのをいくつか持ってきた。玄関の入口に置いている。
火鉢だと思う。割れたりしているので鉢にしていたようだ。大きい火鉢は重くて重くて…小さいこの2鉢を持ってきた。しかし、全く我が家に合わず…田舎に帰すか…。
蒸したもち米を臼でついてこの上にのせ、小さくちぎっておもちを作っていた板である。一人で運ぶのには一苦労の重さである。家にあるテーブルの上に載せて使っている。表面をみつろうで磨いてみた。脚を付けたいと思っているが、似合う脚が見つからない。
壁に付けようと思って持ってきたが、田舎にあるから風情があって素敵に見えるが、我が家では古ぼけた感だけが目立ってどうも似合わない。とりあえず夫の部屋に置かしてもらっている。
赤の漆の器。大きい。何に使っていたのだろう。
古い旅館にあるような衣紋掛け大小2ヶ。小さいのはタオル掛けのようだ。これは実家からやってきた。これも置き場が見つからず…
身内に骨董商をしていた人がいて、その名残りの物、真っ赤な漆のまあるい座卓や中国の茶器セット等、どこの国の物かどの時代の物か分からない品物がそこいらに無造作に置かれている。ただ毎年年末に母が出していた代々続く重箱やお屠蘇セットとか、そういう物が出てこない。どこに隠れているんだろう。当分「宝探し」が出来そうだ。
こういう昔ならどこの家にでもあったようなものに惹かれる。
これらは実家から貰ったものである。